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稲葉友宏

《夜のはじまる場所 》 Iron, h2450 × w2400 × d1000mm

1984年栃木県生まれ。2011年に文星芸術大学大学院博士課程を修了した国際的に注目を集める彫刻家。
稲葉の作品の中には、彼によって意図的に作られた空白が存在します。その空白とは鑑賞者の想像力が触れることによって物語が描かれる余白であり、その余白が想像力によって補完されるとき、稲葉の作り出す動物達に自律性と生命力を宿します。彼の彫刻は、その卓越した描写力を活かし、鉄のワイヤーを宙に浮いた筆跡のような勢いとしなやかさで表現していることから、立体的な絵画とも評されています。作品の中にしばしば登場する「星」のモチーフは、鑑賞者それぞれの宗教観や死生観、宇宙科学や物語の記憶などに結びつくようなイメージとして用いられ、「四角形」のモチーフは作家自身のイメージする社会の規則や秩序など、現実世界の目に見えない大きな存在を感じさせるシンボルとして用いられています。


2006 年にモントリオール国際芸術祭ケベック日本文化振興賞受賞、2011 年フランクミュラー創造の天才入賞など多くの受賞経験を有し、2014 年にイタリアで行われたミラノサローネへの参加をきっかけに世界からの注目は一段と高まりました。国内でも越後妻有アートトリエンナーレに参加するなど国内外で精力的に活動し、現在ではアメリカ、ポーランド、韓国、香港、アラブ首長国連邦などで作品が展示・設置されています。


私は、「鑑賞者と想像を介した関わりを持ち続ける」彫刻作品を制作しています。目には見えない物事を想像する「豊かな時間」のきっかけになることが、芸術作品の一つの在り方と考えているためです。彫刻作品においては、物体のフォルムや存在感により想いを表現しますが、形のない「空白」を造形することで鑑賞者の想像力を喚起し、それぞれの物語を紡ぐ余白が生まれます。そうして鑑賞者の想像力に触れた作品は、造形のみにとどまらない豊かな彫刻表現となります。また、作品を前にして感じたことを他者と共有することで、多様な解釈があるということの豊かさを感じていただければと考えております。多様性、寛容性が問われる今、私は作品を通してお互いが理解しあえる寛容で豊かな日々が続くことを祈ります。                                      
- 稲葉友宏 -


パブリックコレクション
2011 年 「きみに見える物語」 能満寺幼稚園 ( 栃木 )
2015年「生きること」/加蘇芸術村プロジェクト(栃木)
2016年「The Stars Journey」Double Cove (香港)
2019 年「A PLACE FOR STARS」ウッチ市中央トラム駅 (ポーランド)
2021 年「Memory of the Stars」&「Promise of the Stars #5」JA Lake View Hotel(ドバイ)

《放たれた星たち》Iron, urethane and acrylic paint, h840mm w1380 × 300mm

《放たれた星たち》Iron, urethane and acrylic paint, h840mm w1380 × 300mm

《着地する月》Iron, urethane and acrylic paint, h3200 × w3100 × d1880mm

《着地する月》Iron, urethane and acrylic paint, h3200 × w3100 × d1880mm

《and a blank no.29》Iron, urethan paint, 350x550x115mm

《and a blank no.29》Iron, urethan paint, 350x550x115mm