EXHIBITIONS
2026.6.12 [fri] – 7.11 [sat]
YUKIKOMIZUTANI
YUKIKOMIZUTANIでは2026年6月12日(金)から2026年7月11日(土)まで、稲葉友宏による個展「Forms of Lives」を開催いたします。
稲葉は鉄線を用いた造形の中に「空白」を内包させ、鑑賞者の想像力を喚起する独自の彫刻表現を一貫して探求してきました。同ギャラリーで3度目の個展となる本展では、その「空白」をより具体的に「命のかたち」として捉え直し、生命の循環や記憶の軌跡を形にした最新作を発表いたします。また、従来の作風をさらに発展させ、ステンレス素材を用いた新作をメインに空間を構成します。屋外設置も可能となるこれらの作品は、ギャラリー空間という枠組みを超え、彫刻が公共の場で持ちうる存在意義や可能性を追求する稲葉の新たな試みです。
稲葉はこれまで、目に見えない存在への想像を誘うことを芸術の使命とし、空間に浮かぶ鉄線の造型によって鑑賞者の想像力を刺激する作品を生み出してきました。「星」や「四角形」といったモチーフを通じ、死生観や宇宙、秩序といった目に見えない大きな存在を表現し、それぞれの物語を紡ぐきっかけを与えてきました。
近年、身近な生き物の観察や、人の死を通じて「命の循環」について深く思索を重ねた稲葉は、命が一つの個体に留まらず循環し続けること、そして記憶の在り方に新たな気づきを得ました。
本展では、「命を可視化した形」をテーマに更新された創作理念のもと、生命の循環や記憶の軌跡を造型した最新作を中心に展示いたします。永遠に続く巨大な生命のサイクルの気配をギャラリー全体で表現することで、鑑賞者一人ひとりの記憶を重ね、自身の命や存在を俯瞰して向き合う、静謐で豊かな時間をもたらします。
アーティストステートメント
私はここ数年、命について考える機会があり、⾝近な動植物の観察から、時には宇宙へと興味を広げながら考察を続けています。
特に興味を持ったのは「命の所在」です。どうやら命は、⼀つの個体に留まらず、常に変化しながら時間をかけて移動し続けている様に感じます。⽬には⾒えないとても⼩さなスケールから壮⼤な宇宙まで、⼤きなサイクルが永遠と続いているようです。この、「命の所在」について俯瞰して考えた時、私の作品は、命を可視化した形なのだと気がつきました。
作品にはネガティブもポジティブもなく、それはただ私が見つけた命の形です。そこに、皆さんが持つ記憶や感情を重ね、俯瞰的に眺めてみてください。もしかしたら、まだ自分でも気づいていない潜在意識に出会えるかもしれません。そのやり取りこそが、何より豊かな時間であると私は信じています。
―稲葉友宏