EXHIBITIONS

丸山太郎 展開された屋上と生エネルギーマップ

CURRENT

2025.10.24 [fri] – 11.15 [sat]

YUKIKOMIZUTANI

《あるがままの噴水》 スタイロフォームにエポキシパテ、アルミフレーム、ジェスモナイト、紙にパステル画、ゴムホース、ポンプ、屋根材、雨樋、木、プラスチックボックス、水, 2025

YUKIKOMIZUTANIでは、2025年10月24日から11月15日まで、丸山太郎による個展「展開された屋上と生エネルギーマップ」を開催いたします。

 

丸山の彫刻は、木や石による彫塑、コンクリート・FRP・セラミック・石膏・シリコンゴムなどを用いた型どり、さらに粘土や建築用パテによる塑像など、多様な技法によって生み出されたオブジェクトと既製品の組み合わせによって構成されます。その軽やかでユーモラスな外観の背後には、彫刻という営みに対する問いかけが巧みに織り込まれており、美術史の文脈において「彫刻」の概念の境界を再考する試みとなっています。

 

【TALK EVENT】クロストーク 林卓行 × 丸山太郎 開催

会期中の11月8日(土)に、クロストークトーク 林卓行 × 丸山太郎を開催いたします。また、イベント終了後には歓談の時間も設けておりますので、皆様ぜひご参加ください。

日時:11月8日(土)15:00〜16:30

会場:YUKIKOMIZUTANI(〒140-0002 東京都品川区東品川1-32-8 Terrada Art ComplexⅡ 1F)

参加費:無料

定員:50名

登壇者:林卓行、丸山太郎

[お申し込み方法]

下記Googleフォームより必要事項をご入力のうえ、お申し込みください。

 

 

【作家ステートメント】
作品は状況自体であって欲しいです。「展開された屋上」はロザリンド・クラウスの「展開された場所」の考えから少し借りています。屋上は建物の先端でありながら非建築的な空間です。そしてそこには、ピザーラの蓋を反転させてもう一枚の皿にするような想像力の入る余地があるかもしれません。

 

また、私のアトリエの敷地にある単管で組んだ物置の中には葛が繁殖していて、合板と波板の屋根の隙間から簡単に突き抜けてしまいます。レベルの展開と侵犯は乱れた分岐図となって、像の周りには怪談が展開されます。噴水の水の流れや風などの現象、モデルとモチーフの固有名詞への一般的なイメージも歌詞の韻のようにいつもと違う関係に結び直されます。

 

私の仕事はおそらく厳密にはコラージュやアッサンブラージュではなく、もう少し庭的なものであるような気がしています。フォルムに対する表象と機能の関係は簡単に入れ替わってしまう可能性がいつも残されています。それは素材が置き換えや方向の操作によって寸止めのバランスを保つときに最も開かれます。

 

方向感覚のズレた選択によってイメージは脱心理化される一方、私は決して意味を剥ぎ取ろうとはしていません。情感と構造や摂理の間にある彫刻に私は豊かさを感じます。

 

あと、今回いくつかの作品には、回転しながら伸びる首のキャラクター<彫刻くん>が登場します。彼は象徴、ウイルス、署名のような役割を持ちました。

 

 

【丸山太郎 プロフィール】
1991年神奈川県生まれ。2021年に東京芸術大学大学院博士後期課程彫刻専攻を修了。
近年の主な展示に2025年グループ展「See you! Pavlov!」(GENE GALLERY、上海)、2024年個展「笛と正中線は空の彼方に」(東葛西1-11-6A倉庫、東京)、2024年グループ展「Eudaemonia」(Gallery Common、東京)2023年個展「魔性のセーブポイント」(TAKU SOMETAN IGALLERY、東京)、2022年「跨时空社区 SPACE-TIME COMMUNITY」(温州年代美術館、温州、中国)などがあり、国内外での活動に積極的に取り組んでいる。

《危機》h140×w160×d160mm、セラミック、2025

《危機》h140×w160×d160mm、セラミック、2025